2000年4月13日(木)18:24
デン・ハーグ(合同経済サービス)
中欧、東欧および南東欧の加盟候補諸国のEU加盟からWWU(経済通貨統合)加盟に至る移行期間ならびに暫定的為替相場体系に関して、EUの有力な代表国と加盟候補国の間に依然として見解の相違があることが、木曜日にデン・ハーグで開かれた国際金融協会(IIF)の春季会合における討議の場で明らかになった。ポーランド国立銀行総裁ハンナ・グロンキェヴィツ・ヴァルツは、ポーランドはEU加盟から2年ないし3年の移行期間でユーロにも参加できる。この移行期間を延ばすことは「不健全」である、と述べた。
これに対し、フランクフルトに本部を置くドイツ銀行の国民経済部長ノルベルト・ヴァルター教授は、EU加盟から経済通貨統合への受け入れには平均的に5年が必要という見解を示した。移行期の為替相場体系の例として同教授は、長年にわたりオーストリア・シリングがドイツ・マルクに直接に連結していた事例を挙げた。ポーランド政府によりこのたび決定されたポーランド・ズローティの為替相場の管理解除については、同教授は「野心的」と評した。
チェコのヴァーツラフ・クラウス前首相兼蔵相は、ドル化の形であれ義務的カレンシー・ボード制であれ為替相場メカニズムIIに代わる他の方策はないと述べた。EU加盟までカレンシー・ボードを維持しようとするブルガリアに対しては、同国が見舞われた経済危機に鑑みて、もちろんこれを承認するという立場を示した。
原題:EU-Osterweiterung : Fristen bis zum Euro-Beitritt kontrovers